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TSP太陽株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:池澤 嘉悟)は、当社が施工を担当した「ねむの木こども美術館『緑の中』」が、公益社団法人日本建築家協会(JIA)による「2025年度 JIA25年賞」を受賞したことをお知らせします。

左から、池澤 嘉悟(TSP太陽株式会社)、菅井 啓太氏(株式会社坂茂建築設計)、梅津 健一氏(特別支援学校ねむの木)
JIA25年賞は、竣工後25年以上を経た建築物を対象に、建築の存在価値を発揮し、美しく維持され、地域社会に貢献してきた建築を登録・顕彰する建築賞です。建築そのものだけでなく、長期にわたる活用や社会との関係性までを評価対象とする点が特徴であり、日本の建築賞の中でも独自性の高い賞として位置づけられています。
https://www.jia.or.jp/twentyfive_years_cat/2025/
「ねむの木学園」は、女優・宮城まり子氏が創設した障がい児のための施設・学校です。障がいのある子どもたちが静かな環境で創作活動に没頭できる場を目指し、学園でのこどもたちの制作活動による絵画等を展示するために「ねむの木こども美術館『森の中』」はつくられました。

山林に囲まれた立地環境を生かし、自然光と周囲の緑を取り込む建築のなかで作品を鑑賞できます。グリッドコアと呼ばれるアメリカ製の紙製ハニカム板を用いた三角格子構造を鋼管で支え、透光性のある屋根を掛けることで、自然光のもと来館者が自由に作品と向き合える構成となっています。

竣工時の写真
設計者:坂茂/株式会社坂茂建築設計
建築主:ねむの木学園 宮城まり子
施工者:TSP太陽株式会社
竣工年:1999年5月
所在地:静岡県掛川市
本プロジェクトでは、紙製パネルを用いた三角格子構造という挑戦的な建築を、限られた期間の中で多くの検証と試行錯誤を重ねながら実現しました。私自身、実施設計者として関わり、紙という素材だからこそ、何より安全性を重視し、一つひとつ課題と向き合いながら施工を進めました。
完成後、緑に囲まれた空間の中で子どもたちの作品が生き生きと展示される様子を見て、この場所の持つ価値を実感しました。今回の受賞を励みに、これからも長く愛され、未来へ受け継がれる空間づくりに取り組んでまいります。
「この場所で何ができるか」という対話を重ねるなかで、「短期間で、できるだけ負担を抑えながら実現できる空間」として計画が具体化していきました。
設計から施工完了までは約1年、工事期間は約4か月という限られたスケジュールの中で進行しました。何気ない出会いや小さな対話から始まった紙を用いた新しい建築が、25年という時間を経て評価いただけたことを、大変嬉しく思います。
坂茂先生が学園を訪れた際、「子どもたちの作品を自然光の中で鑑賞できる空間があれば、季節や天候、時間帯によって作品がさまざまな表情を見せるのではないか」という想いを宮城まり子と共有し、本施設の建設へとつながりました。
今回の受賞を通じて、芸術を通して子どもたちの可能性を育むという宮城の理念にも共感いただけたと感じています。これからもこの建築と作品を大切に守り、未来へ受け継いでまいります。