COLUMNコラム
「プロモーション企画」は、商品やサービスなどのマーケティング施策として欠かせない戦略の1つです。
しかし、プロモーションで目的を達成するためには大事なコツがあります。
今回は、プロモーションで得られる効果、プロモーション企画を上手く進めるための手順やコツなどを実際の成功事例を紹介しながら詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

「プロモーション(promotion)」は、一般に企業が商品やサービスを認知させ、顧客の購買意欲を高めるために行うマーケティング活動を指します。
マーケティングには、「Product:製品」「Price:価格」「Place:流通」と、今回テーマとなっている「Promotion:販促」の4つの戦略的要素があります。
たとえば、SNSで新商品の話題作りを行う、キャンペーンやイベントを行うなどの施策はプロモーション活動の一例です。
プロモーションはマーケティング戦略の中のひとつの要素であり、PRはそのプロモーションの手法のひとつです。
プロモーションには大きく以下の5つの手法があります。「プロモーションミックス」といって、目的達成のために効果的な手法を組み合わせてプロモーションを行います。
プロモーションとPRは混同しがちですが、少し意味が異なるため、話す際は注意が必要です。
プロモーションによって期待できる主な効果は以下です。
プロモーションによって自社の商品やサービスの認知度をアップすれば、新たな顧客を得るチャンスとなり、顧客が増えればマーケットシェアを大きくする足がかりになります。
また、既存顧客に対しても良いプロモーションができれば、企業や商品に対する愛着や信頼度(顧客ロイヤリティ)を高め、ファンを獲得できます。

では、実際にプロモーション企画はどのような手順で進めればよいのでしょうか。ここでは、上手なプロモーション企画の進め方について以下の6ステップに分けて解説します。
プロモーション企画を行う際には、「SWAT分析」がおすすめです。
「SWAT分析」は、内的要因である自社の商品・サービスの「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」に加え、外的要因である「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つを洗い出し、状況を分析する手法です。
これにより、顧客への訴求事項や解決すべき課題などの現状を把握しやすくなります。
SWAT分析により明らかになった強みや課題をもとに、プロモーションの方向性を決めて戦略を練り上げます。
強みから見えた魅力をアピールする方法や、弱みや課題の改善策のアイデアを出していき、より効果的な施策を打ち出すための基礎固めをします。
SWOT分析で導かれた4つの要因を「強み × 機会」「強み × 脅威」「弱み × 機会」「弱み × 脅威」のようにかけ合わせると、課題解決の戦略を立てやすくなるでしょう。
プロモーション企画をなんとなく行っても、効果は測れません。
プロモーションを記載する際は、目標を明確にして、必要な施策を計画的に実行していくことが大切です。目標次第でターゲットや活用すべき手段も変わってきます。
そこで、SWAT分析で浮き彫りになった課題の解決に向けた目標を立てるのが理想的です。
目標が決まれば、戦略の一貫性やチーム内の共通認識が出やすくなります。
また、目標に向け、人材や資金・必要な情報などを必要な部分に集中できるため、効率的な進め方ができるメリットもあるでしょう。
プロモーション企画の目標が定まったら、働きかけるべきターゲットを決めましょう。
目標が定まれば、達成へ向けて適切なターゲット層も見えてきます。市場データなどから、ターゲット層の年齢・性別・購買行動・ニーズなどを見極めましょう。
また、プロモーションを行う自社商品やサービスについて、どの程度ターゲットが認知しているか、レベル感も考慮に入れるとベストです。
戦略や目標・ターゲットが決まったら予算を決めます。
目標と会社の状況を踏まえて、以下のような方法から適したものを選びましょう。
| 支出可能額法 | 会社の財務状況で出せる予算内で広告費を決定する方法 |
| タスク法(目標基準法) | 目標の達成に必要な施策から予算を逆算して算出する方法 |
| 競争者対抗法 | 競合企業の広告費と同等かそれ以上の広告予算を設定する方法 |
| 売上高比率法 | 売上高の一定割合を広告費として計算する方法 |
| 予算据え置き法 | 前年度の予算をそのまま維持する方法 |
的確なスケジュール策定は、プロモーション企画をスムーズに進行するためには必須です。
まずは必要な工程やタスクを細かく洗い出し、各工程の作業開始日と完了時期を設定しましょう。その際に、タスクごとに要する人員などのリソースも割り出して整理します。
実現可能な範囲でスピーディにガントチャートなどのツールを活用して、スケジュールを見える化すると進行管理もしやすいでしょう。

プロモーション企画を行う際には、「成功のためには欠かせないコツ」と言える重要なポイントがあります。
プロモーション企画で狙った効果を発揮できるように、ここで紹介する5つのコツはしっかり押さえておきましょう。
企画内容がターゲットに刺さるほど、プロモーションは成功しやすくなります。
そのために、ターゲットを絞り込み、より具体的にイメージできるようにしましょう。抽象的なターゲット設定ではなく、顧客の人物像を詳細に描き出したペルソナ設計まで行うのがポイントです。
ペルソナを設計する際は、実際のターゲット層へのインタビューやアンケート調査、SNSやレビューサイトの口コミなどから顧客ニーズを深く理解しておくことも欠かせません。
効果的なプロモーションを行うためには、伝えたいメッセージを明確にしてターゲットに届きやすくします。
わかりにくい曖昧な言葉は避け、簡潔で万人が理解しやすいメッセージを意識しましょう。商品やサービスが顧客にもたらすベネフィットを具体的に伝えることで、ターゲットに響きやすくなります。
メッセージは、顧客の関心や悩みの解決につながる内容、商品やサービスを使用したあとに訪れる理想の未来を伝えると効果的です。
一貫した内容にしてブランドの信頼性を高め、顧客が共感できるような心に残るメッセージを作成しましょう。
どんなに魅力ある企画でも、ターゲットや目的に合わない手法で行えば、求める結果につながりません。
たとえば、高齢者をターゲットにしているのにSNSを使ったプロモーションを行っても、ターゲットには十分に届かないでしょう。
プロモーションの効果を発揮し、無駄なリソースを削減するためには、ターゲットや目的に適した手法をしっかり見極める必要があります。
プロモーション企画を実施するなら、効果を測定できるようにしておくのがおすすめです。
あとでプロモーションの評価をするための指標として、具体的な「KPI(重要業績評価指標)」や「KGI(重要目標達成指標)」を設定しましょう。
そのプロモーションで目指す最終目標(ゴール)として「KGI」に、中間目標として「KPI」を設定すれば、効果が判断しやすくなります。
実績のある外部パートナーとの連携は、プロモーション企画の成功への早道です。
ほかと差別化できるオリジナリティのある企画の立案、目標達成のための的確な手段の選定、ターゲットに深く刺さるメッセージの設定など、経験値の違いで大きな差が生まれるケースもあります。
良い結果を生み出すために、プロモーションを得意とする外部パートナーと協力するのは賢い選択です。

ここでは、当社が関わったプロモーションの事例を紹介します。
プロモーション企画が成功するための参考にしてください。

まずは、2025年5月に開催された「第25回タイフェスティバル東京2025」です。
タイの伝統文化はもちろん、最新のエンタメなどリアルな動向まで、たっぷりとタイの魅力が体感できるイベントとなるような企画立案をいたしました。
2025年開催で25周年ということもあり、昨年2日間だったファンミーティングを3日間に延長。「渋谷ストリームホール」等の複数の会場で音楽ライブを開催することができました。
【メッセージの明確化】「Creative Thailand」
タイの魅力と一口に言っても曖昧なまま終わってしまうため、「Creative Thailand」をテーマに創造的かつ多角的に発展していくタイの姿をイメージできる取り組みを行いました。
伝統文化と進化的なテクノロジーを融合させたエンタメ、先人からの知恵を現代的に活用して生み出された面白い製品など、時代や社会の変化とともに進化してくクリエイティブなタイを体感できる形にこだわりました。大手コンビニと連携してタイの大手芸能事務所「GMMTV」所属のアーティスト写真を印刷できるサービスも好評でした。
また、自動的に顔認証できるAIカメラで年齢や性別などの来場者データを取得。データを活用してさらに発展的なプロモーションを行える礎を作っています。

2024年1月に日本で全国発売されたインドネシア発のポテトチップス「TRICKS(トリックス)」のプロモーションとして、渋谷センター街に期間限定でポップアップストアをオープンしました。
インドネシアでは抜群の知名度を誇る「TRICKS」。アメリカや中国、台湾など海外でも販路を伸ばしてきた商品です。ガルーダ・インドネシア航空国際線の日本・インドネシア間を結ぶ便でも提供された実績があります。
【適した手法】ポップアップストア
インドネシア国内では有名でも、日本ではほとんど知られていない商品であったため、トレンドに敏感な若者が集まる渋谷センター街の「n_space」で、人目をひくポップアップストアを出店。1Fと2Fで展示スペースと販売スペースを分ける形で展開し、SNSなどで発信力がある若者をターゲットに商品の認知度を高めることを目指しました。
話題性を高めるために、PRに若年層に人気のタレントを起用。ファン経由での口コミも生まれ、商品の注目度も高まる相乗効果が生まれました。

2024年11月「コミックシーモア」の20周年を祝うリアルイベントを開催。
当社は企画・会場デザイン・ステージの進行などを担当し、多数の応募の中から抽選で選ばれた100名のコミックシーモアファンが楽しめるようなプロモーション企画を展開しました。
【具体的な目標設定】20周年の感謝を伝える
イベントの実施にあたって、一貫して目指したのはファンに20周年の感謝を伝えること。そのために「マンガの学校」というコンセプトで、イベント会場を来場者がワクワクするような世界観につくりあげました。花紙や風船など一般的な学園祭でも使われるようなアイテムで装飾をし、あたたかい手作りの雰囲気を演出。フォトスポットにも黒板を配置したほか、「進路相談」や「歴史」「美術」コーナーなども設けました。どこか懐かしく既視感のある空間は、来場者からも好評でした。
コミックシーモアのマスコットキャラクターグッズが当たるガチャコーナーや来場者へのプレゼント企画、ゲストによる好きなマンガのプレゼンタイムなど、20周年の感謝を込めてファンへのおもてなしを行いました。

2025年3月、小学館の人気ファッション誌「CanCan」と韓国コスメブランドのコラボイベントが開催されました。
ターゲットは「CanCan」世代の20代女性。こだわったのは、韓国や美容好きにたまらない「かわいい」が詰まったリアルな体験です。当社は会場の施工・装飾、チケット運営やステージ進行などを担当。会場装飾テーマは「韓国っぽグリーンカフェ」。ターゲットの心をくすぐるようなグリーンカラーで満たされた空間を演出しました。
【適した手法】韓国コスメ・豪華ゲストのリアル体験
ターゲットに「CanCan」や韓国コスメにより愛着を持ってもらうために、特別感のあるリアル体験を随所に盛り込みました。注目の韓国コスメを実際に試せるだけでなく、豪華ゲストと対面し、韓国コスメのメイクのデモンストレーションを見られたり、美容トークを聞けたりと来場者の関心の高い内容を展開。また、コンセプトカフェをイメージして、コスメをドリンク風にアレンジするなど、細かな部分までターゲットが喜ぶ企画を施しました。
プロモーション企画を成功させるためには、現状を分析・把握して、目的やターゲットに適した手段で行うことが大切です。
また、実施するまでには多くの課題解決やリスク管理、緻密なスケジューリングも必要になります。
TSP太陽には、自治体から民間企業まで、業種に拘わらず数々のプロモーションを手掛けた実績があります。ぜひ、当社と満足度の高いプロモーションを企画をしてみませんか。
どのようなイベントをつくりあげたいかお悩みであれば、一度こちらよりお気軽にご相談ください。