PROJECT実績紹介
「おおさかスイバー」水都大阪VR紹介コンテンツ
「おおさかスイバー」水都大阪VR紹介コンテンツ
(2022年12月3~6日、19~21日 大阪府大阪市)
2022年12月3~6日、19~21日の延べ7日間、大阪府大阪市内の水路を舞台に「おおさかスイバー」という実証実験を主目的としたイベントが行われた。
これは大阪市内における舟運事業の老舗・大阪水上バス株式会社による、観光庁「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値事業」に承認された事業で、小型船の「①安全基準」「②舟運商品の魅力向上」「③大阪ならではの舟運発展」を3つの舟運基準(バー)として、巡回船と水上タクシーを運航するといった内容。2025年に大阪・関西万博の開催を控え、さらなる舟運事業の発展を目指したものだ。
この実証実験で話題となったコンテンツのひとつに「水都大阪VR紹介コンテンツ」があった。
これは、水上バスや水上タクシーを待つ利用者向けに、その待ち時間を利用して大阪水都の歴史と実際の水上バスの魅力を実感してもらうというもの。文字通りVR(バーチャル・リアリティ)ヘッドセットを装着し360度ビューの映像の中に没入してもらうことで、利用者に視覚だけではない「体験」として訴えかける新しい試みとなっている。
このコンテンツの企画・制作を担当したTSP太陽の眺野馨は、「水都大阪VR紹介コンテンツ」について当時を振り返る。
「VRは観光PRの新しい形として、当社が非常に期待を寄せているコンテンツです。VRコンテンツに取り組んできて約4年、ようやく第一歩が踏み出せたなと個人的に感慨深いプロジェクトでした」。
眺野は当時、XRチームという部署に所属していた。「XR」とは、「クロス・リアリティ」のことで、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)を含めた総称だ。つまりXRチームは、VRやARなどを活用してまったく新しいイベントの可能性を模索するセクションである。
「XRチームは当時の社長(能村祐己 現会長)が発案し、すでにVRベンチャーとして実績を持つ株式会社ABALと事業連携し2020年度に発足したんです」(TSP太陽 眺野)。
眺野はチーム設立メンバーで、設立準備を含めると、実に2019年からXRに関わっている。
「当時の社長はこんなことを言っていました。『当社はイベント業界において、総合的には牽引する立場であるが、音楽フェスなどエンタメ系のイベントにおいては、それを専門とする他社と比較すると弱いと言わざるを得ない。後発であっても新しい技術や仕組みを活用して、その市場に参入していきたい』と」。
眺野はこれまで設計やデザイナー、営業と、あらゆる立場から多くのイベントを手掛けてきたベテランだが、XRについては右も左もわからない状態。事業連携以来はTSP太陽本社屋内に事務所を構えるようになった株式会社ABALの協力を得て、XRの世界を一から勉強した。コツコツと知見を深め、2022年にはひとつの形を完成させた。
それが「Hybrid Live-Entertainment(ハイブリッドライブ エンターテインメント)」である。
これは独自の「ABAL®システム」を活用することで、バーチャル空間をリアルに楽しめる”体験性”を実現するもの。このバーチャル空間で、これまでにはない新しいエンターテインメント体験を可能にするという画期的なサービスだ。(詳細はhttps://hle-tsp.jp/)
「2022年秋にリリースしたばかりの“未来のエンタメ体験”のカタチです。実施はまだこれからですが、イベント業界で、当社がこのサービスをいち早く確立できたのは非常に価値のあることだと考えています」(TSP太陽 眺野)。