PROJECT実績紹介
Tokyo Tokyo Delicious Museum 2025
Tokyo Tokyo Delicious Museum 2025
(2025年5月16日〜18日 有明・シンボルプロムナード公園 石と光の広場 、花の広場)


2022年から開催され、世界に誇る東京の食を楽しめると話題のグルメイベント「Tokyo Tokyo Delicious Museum(以下、TTDM)」の第4回目が、2025年5月に有明で開催された。TSP太陽は前回に引き続き、放送事業者と共に企画・設計・運営まで一貫してプロジェクトを担当。チームで積み重ねた昨年のイベント経験を武器に、「もっと多くの人に“東京の食”の魅力を届けたい」という想いのもと、より緻密に、前回よりもパワーアップしたイベントの実現に臨んだ。
飲食エリアは「江戸ゾーン」と「東京デリシャスゾーン」、「フードジャーニーゾーン」に分け、“伝統と革新”をテーマに江戸時代から続く伝統的な東京と、さまざまな国や地域の食文化が集積する現代の東京を、視覚と味覚で体感できる構成に。
「完全予約制の名店や、普段はイベント出店しない店舗の参加も実現したことで『予約せずに名店の味を楽しめた』と、お客様から大きな反響をいただきました」と、同イベントで企画・広報を担当した沼尾紗衣は語る。
今回は、訪日外国人(インバウンド)やファミリー層を明確なターゲットとして定め、それぞれのニーズに沿った体験を展開。インバウンド向けには“寿司握り体験”を実施し、国内外問わず約150名が参加する人気企画となった。また、家族連れでも安心して楽しんでいただける「ファミリー優先シート」も好評を博した。グルメもお子様と一緒に食べやすい味やサイズを豊富にラインナップしたほか、子どもから大人まで見て・触れて・学べるクリエイティブな体験を揃えた。さらに、親子で楽しめるワークショップも充実させたことで、TTDMならではの東京の食の魅力をさまざまな世代の方に届けることに成功した。


「昨年に引き続き、当社が企画段階から携わっていたため、前回の課題が明確になっていました。特に、花の広場に来場者が流れにくい動線になってしまっていたという反省を踏まえ、今回は“どうしたら足を運びたくなるか”を考え抜きました」と語るのは、企画・プロデュースを担当した当社プロデュース事業部の加藤隆之。
昨年はワークショップ中心だった花の広場だが、参加者が足を運びにくいという課題も。そこで、メイン動線や食事スペースから花の広場の視認性を高める工夫によって「向こうのエリアも気になる」「行ってみたい」と思わせるような“仕掛けづくり”を提案した。 仕掛けの一つとなったのが、ステージの新設だ。
「今年は花の広場に、キッズ向けに演武などを行うステージを設置しました。これによってメインの『東京デリシャスゾーン』に設置したステージAはジャズなどを聞きながらお食事を楽しむエリアに、花の広場に設置したステージB周辺は子供が楽しめるゾーンとなりました。エリアごとにコンセプトを決め、“目的地”となる要素を追加したことで、来場者は思わず会場内を歩き回ってみたくなります。
こういったステージなどの“仕掛け”を設置することで回遊性を高めました」(沼尾) 昨年の課題を活かした企画・導線設計により、会場全体を見て回って、楽しんでいただけるような仕掛けづくりを行うことができた。


TSP太陽が東京の食の魅力を伝えるフードイベント「 Tokyo Tokyo Delicious Museum 2025」の中で本領を発揮したのは、企画・設計・広報・運営までを自社内で一貫して担える体制だった。社内のプロフェッショナルが定例会議で知見を持ち寄りながら、その場で提案・判断・修正まで行えるスピード感は、まさに“全方位対応の強み”を象徴している。
企画・プロデュースを担当したプロデュース事業部の加藤隆之は、「多くのイベントでは代理店・施工会社・企画会社とで担当する企業が分かれていることがほとんどで、主催者が困ったときや相談したいと思ったときも、確認や返事に最低でも数日かかってしまいます。ですが、当社なら、ご要望をいただいたその場でお返事ができます。『こうしたらもっと良くなると思います』『こういったデメリットが発生します』と議論も広がり、その場で解決できる、あのスピード感はTSPならではですね」と胸を張る。加藤の言葉に、計画設計部として会場内の設計・申請面を担当した村上真彩は「要望に応えつつ、設計上実現が難しい場合は必ず代替案を用意しました。『なぜ難しいのか』『どうしたら近づけるのか』を丁寧に伝えることで、ただ断るのではなく、“一緒に解決する”姿勢を持ち続けました」と頷く。
こうした姿勢の根底にあるのは、クライアントの“温度感”をチーム全体で共有する姿勢だ。加藤は「どうしてその要望が出てくるのか、言葉の裏側にあるクライアントの意図を汲み取ることをチームで徹底していました。チームメンバー全員がクライアントと同じ温度感を持ち続けました。言われたことだけをやるのではなく、さらに良くするための提案を考え続け、その繰り返しで、結果的にお客様の満足度も高いイベントに繋がりました」と語る。 広報面でも、クライアントと毎日のように細やかなコミュニケーションを重ねていたからこそ、イベントで力を入れている部分を効果的に発信できたと、企画・広報を担当した沼尾は振り返る。
「PR会社と一緒に広報の戦略を練りながら、『猛暑』などのニュース性を意識したテーマ設定や、事前の広報でもインバウンド向け、ファミリー向け施策を軸にメッセージを発信しました。その甲斐もあって今年はイベントやおでかけ系のメディアだけではなく、経済系のメディアからも取材依頼をいただいたと思います。当日はテレビを含む数多くのメディアから注目していただき、事前広報の効果を実感できました」と、TTDMの魅力を広く発信できた喜びを語った。 東京の名店を含む40店舗以上が出店し、イベントの規模もTTDM最大の規模となった。これまで多くのグルメイベントを手掛ける当社の中でも、同イベントは屈指のボリュームとクオリティを誇る場として、訪れた来場者に強い印象を残した。


本会場は屋根付きテントが会場内の3分の2を占めており、日差し対策・休憩性・動線計画まで配慮された設計となっている。屋外イベントならではの天候によるリスクを軽減する「快適に過ごせる空間づくり」も、来場者満足度を高めたポイントだ。
屋外でもゆっくりとくつろぎながら飲食ができるように、会場内に畳を使用した“和”を感じる畳のスペースを昨年から引き続き設置した。そのレイアウトにおいても、設計担当の村上が前回の課題を解決するアイデアを展開した。
「昨年は、雨に弱い畳スペースの雨天対策に苦戦しました。今年はファミリーごとに使える小型ユニット畳に変更したことで、畳の居心地の良さはそのままに、設営も撤収もスムーズに。雨にも対応しやすく、使い勝手も良くなりました」。
加藤は、「当日の運営スタッフも当社が配備したのですが、通常の運営を行うスタッフに加え、自由に会場内を動けるスタッフも多く配備しました。スタッフから困っている方に自発的に声をかけるなど、手厚いおもてなしを実現しました。ベビーカーを押す方の移動をサポートするなど、小さな気遣いではありますが、イベントで印象に残るのはこうしたイベントとしての姿勢だと思います。スタッフによる自然な気遣いも、事後アンケートでの高評価につながったのかもしれません」と話す。
料理のクオリティ、料理をさらに美味しく食べていただけるように工夫した多彩なステージイベント、屋根付きの快適な会場構成、そしてスタッフの丁寧な対応など、細部まで目が行き届いた運営を評価いただき、イベント全体の満足度は97%と好評であった。
設計・運営・広報が一体となって動いたからこそ、スムーズに準備が進み、結果としてイベント全体の完成度を底上げすることができた。来場者や出店者、クライアントからの反応もいずれも上々で、当社が“食”を通じて地域や来場者・出店者満足度と向き合った、ひとつの理想的な事例だ。