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COLUMNコラム

グリーンインフラが今求められる理由は?GXとの関連性や事例も紹介

近年、地球温暖化や気候変動に伴う自然災害の増加、社会構造や生活の変化などによりグリーンインフラへの取り組みが求められています。

この記事では、グリーンインフラとは何か、世界各国で推進される背景やGXとの関連性について解説します。

また、日本におけるグリーンインフラの取り組み事例を紹介し、グリーンインフラが持つ可能性について探ります。

グリーンインフラとは?

グリーンインフラとは、アメリカで発案された社会資本整備の手法で、1990年代後半から欧米を中心に進められてきた、自然環境が持つ多様な機能を活用して社会の課題解決に役立てようとする考え方です。もともとは海外でグリーンインフラの取り組みが盛んでしたが、近年、日本でもグリーンインフラが導入されつつあり、支援制度や法令の整備が行われています。

グリーンインフラの推進が求められる背景

近年、グリーンインフラの推進が求められている背景として以下が挙げられます。

  1. カーボンニュートラルなど世界的潮流への取り組み
  2. 気候変動や増大する自然災害への対応
  3. インフラの老朽化、人不足への対応
  4. 魅力あるまちづくりのニーズ
  5. 人口減少社会での土地活用の変化
  6. SDGsに対する意識の向上

自然環境の多様性をうまく生かした持続可能な生活基盤の構築・より理想的な社会産業の発展がグリーンインフラに期待されています。

グリーンインフラで必要な3つの要素とは?

日本において、「防災・減災」「地域振興」「環境保全」の3つが、グリーンインフラに必要な要素として国土交通省から示されています。これら3つが全て、現代の日本において重要な課題となっています。

グリーンインフラとGXの関係

近年、耳にするGXという言葉は、グリーントランスフォーメーションの略。化石燃料に頼らずにクリーンなエネルギーを使っていくための活動や変革を指します。

自然環境を上手に活用して社会課題の解決を目指すグリーンインフラは、GXの取り組みも包括的に含むと言えるでしょう。

日本でのグリーンインフラの具体的な事例

日本での具体的なグリーンインフラの取り組み事例には、どのようなものがあるでしょうか?

日本の事例を知る上で参考になるのが、2020年創設の「グリーンインフラ大賞」で、グリーンインフラに関する優れた取り組みを表彰する制度です。ここでは、2022年3月に報道発表された「グリーンインフラ大賞」 国土交通大臣賞・優秀賞受賞事例から2つの事例を紹介します。

事例1:【防災・減災】としまみどりの防災公園(IKE・SUNPARK)

池袋駅から約1kmの場所にある「としまみどりの防災公園(IKE・SUNPARK)」は、「池袋西口公園」「南池袋公園」「中池袋公園」と同じく池袋駅周辺にある4つの公園の1つ。

4つの公園の中で最大の敷地面積を誇り、その特徴を生かして広大な芝生広場を整備しました。また、公園に面する木造の密集する市街地側には、防火力に優れたシラカシを活用した防火樹林を整備し、災害時には公園への退避がスムーズにできるように複数の出入口を計画的に設置されています。

芝生広場の近くにはカフェが設けられ、芝生広場とはウッドデッキで結ばれています。これは公募設置管理制度(Park-PFI)の導入によって実現しました。

さらに電気バス「IKEBUS」を運行することで、「としまみどりの防災公園(IKE・SUNPARK)」と他の3つの公園との回遊性を高め、地域の賑わいや市民活動の活性化を促しています。

事例2:【生活空間】「Green Bind」(コンフォール松原・松原団地記念公園)

環境資源を生かし、多様性に富んだ緑の生活空間やコミュニティデザイン、グリーンインフラを活用した浸水対策など、幅広い取り組みが評価された埼玉県草加市の「Green Bind」(コンフォール松原・松原団地記念公園)。

従来からの保存樹を生かしつつ新たな種の植栽を加え、より適応性の高い植樹環境を整え、緑道沿いのくぼ地を利用したレインガーデンで、通路が雨水で冠水しにくい対策をとっています。

敷地内には貸農園と子どもたちが遊べる遊具を備えたプレイロットが近くに配置されるなど、多世代が自然に交流しやすい空間づくりがされているのも特徴です。

元の資源を大切にしながら緑豊かな環境を再構築し、コミュニティ形成や防災対策など多方面に配慮された生活空間が魅力となっています。

グリーンインフラの課題

上記で実際の取り組み事例を紹介しましたが、グリーンインフラを推進する際の課題としては、主に以下の2つが挙げられます。

  • 初期コストが多くかかる
  • 長期的なメンテナンスが必要になる

グリーンインフラの取り組みを行う際には、地域全体を見渡して整備を進めることが大切なため、従来のグレーインフラ(コンクリートにより人工構造物)よりも、どうしても多くの初期コストがかかる可能性があります。また、自然を有効的に利用するため、良い環境状態を維持するために長期的なメンテナンスを視野に入れなければなりません。

公園を活用!グリーンインフラに関わるまちづくりの事例

グリーンインフラ推進における課題となりやすい初期コストの高さへの対応策の1つとして、今ある公園をうまく活用することが挙げられます。さらに、公募設置管理制度(Park-PFI)を利用すれば、民間企業の資金とノウハウを活用しながら、グリーンインフラの推進と魅力的なまちづくりを促進することができます。

イベントのコンサルティングを行う当社はPark-PFI事業にも活発に参加しています。ここでは当社が手掛けたグリーンインフラにも関わる事例を紹介します。

事例3:「第40回全国都市緑化仙台フェア 未来の杜せんだい2023」

TSP太陽では、2009年以降に行われた全ての「全国都市緑化フェア」において運営・交通の業務を行っています。

「全国都市緑化フェア」は「都市緑化」の普及・啓発を目的とした企画で、花や木々の普遍的な美しさに触れ、緑のあるまちづくりへの意識高揚を促す契機となるイベントです。その点で、自然環境を活用していくグリーンインフラへの志向を高める入り口となるイベントとも言えるでしょう。

グリーンインフラは都市緑化だけに留まるものではないですが、集客性のある「全国都市緑化フェア」で多くの人が自然の魅力に触れることで、コスト削減や利便性重視の従来型のインフラ整備より一歩進んだ視点・価値観を持つチャンスとも捉えられます。

■詳細はこちら:https://www.tsp-taiyo.co.jp/project/p2152/

事例4:「南紀白浜パンダバンブー EXPO.2020」

交通網も整備されアクセスもしやすく、観光資源も豊かな和歌山県の白浜町。2020年12月から約1カ月間開催した「南紀白浜パンダバンブー EXPO.2020」では、まちのシンボル的な存在であるパンダと関連のある竹を使って、白浜町を「循環型社会」としてブランド化しました。

複数のパンダが飼育されている同県の「アドベンチャーワールド」では、パンダの食料として供される竹からパンダが食べない竹幹が年間に約100tも出てしまうため、竹幹の有効活用を行い情報発信していくことで、持続可能なまちづくりのアピールをしました。当社は、本イベントの主催者として企画・設計・広報・運営まで全体を通して関わり、白浜町が持続可能なまちづくりを行うための基礎を築き、今後も持続的にサポートしていきます。

詳細はこちら
https://www.tsp-taiyo.co.jp/project/p744/
https://www.tsp-taiyo.co.jp/project/p826/

事例5:「第43回九都県市合同防災訓練」

2022年9月千葉市の依頼のもと、千葉市蘇我スポーツ公園を会場にして、九都県市合同の大規模な防災訓練を実施しました。マグニチュード7.3、市内最大震度6強の千葉市直下地震を想定して行われ、市民の防災意識の向上も促しました。

「防災・減災」も構成要素として掲げられているグリーンインフラの推進においては、社会資源を活用した環境整備だけでなく、生活者の防災意識の強化も重要です。

TSP太陽は、自治体と市民、防災関係機関が連携した訓練を実施することで、防災に強いまちづくりの一端を担うことができると考え、防災に関する様々な事業を行ってきました。実際の環境整備といったハードの面だけでなく、生活者の意識改革を促すような専門家によるアドバイスやグループワーク訓練を取り入れたイベントなどの取り組みも行うことが可能です。

詳細はこちら:https://www.tsp-taiyo.co.jp/project/p2031/

グリーンインフラで環境整備!地域創生・防災に強いまちづくりを

世界での取り組みが進むグリーンインフラ。日本でもグリーンインフラの考え方に基づいて生活環境が整備され始めています。

TSP太陽は、地域活性化を目指したまちづくりや遊休地の活用、イベントの企画・運営などの多くの実績があります。グリーンインフラの手法を取り入れながら、当社と共に防災にも強く、地域独自の魅力に溢れたまちづくりを推進してみませんか。

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