CLICK

PROJECT実績紹介

大阪・関西万博の全体の運営を支えた来場者サービスの裏側

大阪・関西万博「来場者サービス実施計画策定・実施運営」

PROJECT

『大阪・関西万博』
2025年4月13日~10月13日(大阪・夢洲)

01. 「集大成」として取り組んだ万博の運営

大阪・関西万博は、世界各国・地域や企業、団体が参加し、最先端技術や文化、社会課題への取り組みを発信・共有する場として2025年4月13日から10月13日までの184日間にわたって開催された。日本での開催は、1970年の大阪万博、2005年の愛・地球博(愛知万博)以来3度目で、未来社会の実験場として、持続可能な社会や新たな価値創造の実現を目指すものとなった。

1970年万博の大規模なパビリオン設営を請け負うなかで成長を遂げた当社は、その後国内外で数多く開かれた博覧会とともに躍進してきた。「成長の恩返し」と位置付けた今回の大阪・関西万博は、積み上げたノウハウを活かして会場運営(ソフト面)と空間づくり(ハード面)の両方に携わることとなった。

なかでも会場全体のおもてなしを担う「来場者サービス業務」は、2018年11月に万博開催が決まったその日から「これは自分たちが取りに行く仕事だ」「これまでの経験やノウハウを活かした集大成のような案件」(野沢博文・当時2025万博PJ)と意識したほど、絶対に取り組みたい業務だった。

博覧会をはじめ、国内外で数多くの大型イベントを手掛けてきた当社。「長年携わってきた大規模イベントの運営経験を最大限発揮できる」と自負していたが、来場者サービス運営業務に関わった約4年間は、チャレンジの連続だった。

2021年にスタートした「会場運営・会場管理基本計画」、2022年~2023年には「来場者サービス基本計画」、そして2024年からは「実施計画」に着手し、ゲストサービスアテンダントの募集から研修、運営面での管理、万博期間中の全体的な運営まで含めると、約4年以上関わることになった。

「企画書の作成からプレゼンまで、これまでで一番本気で取り組んだと言っていいくらい、まさに『絶対に負けられない戦い』でしたね」(野沢)

TOPPAN株式会社との共同企業体で取り組んだ本案件。野沢は立ち上げから関わり、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会との調整業務をはじめ、予算や各所への指示など、業務全体を統括した。

万博開幕1年前の2024年4月13日に合わせてスタッフ募集を開始する必要があったため、まずはスタッフの条件設計や募集体制の構築に取り掛かる。

来場者サービス実施計画策定・実施運営の核となるのが、「ゲストサービスアテンダント」だ。ゲストサービスアテンダントとは、来場者に対しておもてなしを担うスタッフで、会場全体が担当エリアとなり、様々なかたちで来場者に関わる。

「ゲストサービスアテンダント」の条件設計や募集体制の構築に取り掛かるため、まずは働きやすい環境を整え、たくさんの応募を獲得するために2023年12月に一般調査を行った。「短時間」「短日数」「思い入れのあるイベントに関わりたい」といった働き方のニーズが判明し、企画段階から、スタッフ採用・育成を大きな業務の柱として設計。中核を担う「コアスタッフ」と、日数も時間もフレキシブルに働ける「サポートスタッフ」の2つの働き方を提案した。

運営計画だけでなく、採用・教育・現場統括・改善まで一気通貫で担えることが、当社の運営領域における強みである。とはいえ、1,000名規模の直接雇用は当社としては経験の少ない領域だ。そのため「コアスタッフ」は当社と、同じ太陽グループのアクティオの2社が雇用し、「サポートスタッフ」は人材派遣会社のヒト・コミュニケーションズが雇用する、3社体制で進めた。

02. “合言葉” で現場のスタッフたちをひとつに

実施計画をまとめていくのと同時並行で、2024年1月からは実際の運営実施業務を担う佐久間寧子(当時2025万博PJ)も動き出した。スタッフの採用や研修など、組織を構築することが佐久間の業務だ。会期中は運営本部のチーフディレクターを務めた。

「求人を出して募集し、採用して、研修を行い、現場に送り出すという一連の流れを担当していました。休憩やハラスメント、労務相談など人に関するトラブルを未然に防ぐとともに、安心して働ける組織となるよう計画を進めました」(佐久間)

万博開幕1年前の2024年4月13日に合わせて募集を開始。600名強の定員に対して国内外から16,828名の応募があり、応募倍率は28倍以上の中、約1,000名の内定者が決定した。国籍、年齢、多様な働き方、それぞれ異なる価値観を持つスタッフたちをまとめる軸となったのが「リスペクト・オール(あなたが考える最高のおもてなしにチャレンジする)」という合言葉だ。これはスタッフ間だけではなく、採用や教育の段階から最高のおもてなしを追求していくために掲げた行動指針だ。

「アテンダントには目の前の判断に迷ったときは、『目の前の人を尊重できているか』『最高のおもてなしに挑戦しているか』を考えると答えが出るよ、と伝えていました。スタッフ同士で口にしてもらいやすいよう、あえてキャッチーなフレーズにし、根付かせることを意識しました」と佐久間は語る。「何かあったときは『リスペクトできてないんじゃない?』って、お互いに気づき合えるようにしたかった」と、「スタッフが主役」という本案件の一番大切な考えを浸透させていった。

実際に来場者と接するのはスタッフだからこそ、佐久間たちは働きやすく、相談しやすく、スタッフが大切にされる職場づくりを徹底した。数多くのニュースにも取り上げられた「ジョイニングセレモニー」や「クロージングセレモニー」、対面でのグループワークなど、チームワークづくりは欠かせなかったという。約半年の時間をかけた研修では、「最高のおもてなし」を実現するために、お辞儀の角度や言葉遣いに至るまで研修に励み、その中で仲間意識も芽生えていった。さらにeラーニングも組み合わせることで、それぞれの働き方に合わせたフレキシブルな研修を行った。

ジョイニングセレモニー

ジョイニングセレモニー

クロージングセレモニー

半年という長い会期中には当然数多くのトラブルに直面する。2025年8月13日、地下鉄が止まり退場できない来場者が発生した「オールナイト万博」では、現場のアテンダントや運営スタッフが粘り強く対応。忘れ物センターを休憩スペースとして使用、ゲートで丁寧に案内するなど、混乱の中ではあったものの臨機応変な対応が行われた。

「アテンダントも不安だったかもしれませんが、閉幕まで無事に駆け抜けられたのは本当にチームの力、そしてリスペクト・オールが根付いた結果だと思っています」(野沢)

クロージングセレモニーにはほぼすべてのアテンダントが参加。会期中の写真や映像を見て感極まるアテンダントも少なくなかった。

「この仕事を楽しんでもらえたのかな、と感じることができました」(野沢)、「クロージングセレモニーでスタッフの表情を見たときに、すべて報われたと感じました。楽しそうにしている人や涙を流している人もいて、ステージから見ていて『この仕事をやってよかった』と思えましたね」(佐久間)と本案件の成果を噛み締めた。

本案件において佐久間は「会社に人材とノウハウを残すことが自分の使命」と熱い気持ちで取り組んできた。過去最大級のイベントでノウハウを蓄積し、採用のフローを確立した。「今後のイベント運営においても、この経験と仕組みを活かしていきたい」と佐久間と野沢は意気込む。

03. 人 × テクノロジーで支えた万博運営

この大きなプロジェクトを成功に導く上で欠かせなかったのが、当社が開発したイベント運営に特化したアプリ「SHIROYAGI」である。

イベント運営におけるペーパーレス・業務負荷軽減を目的に開発したアプリで、煩雑な連絡・指示系統を一元化し、紙ベースだった情報の管理やスタッフ間の引き継ぎをスムーズに行うことができる。会期中の落し物・忘れ物は約14万件、迷子対応も約3,000件にのぼった。その膨大な情報を「SHIROYAGI」で一元管理し、異なる拠点や、離れた場所にいるアテンダント同士、協会本部で即時共有することで、来場者対応のスピードと精度を支えた。ベビーカーや車椅子の貸し出しサービスなども効率的に管理できるこのアプリの導入・管理に携わった大和紗耶加(当時2025万博PJ)は、「万博内の8カ所の案内所やゲート、巡回の会場各所で、『SHIROYAGI』がフル活用され、これまでのアナログでのイベント運営・落とし物の管理に慣れていた方からも『使いやすい』と褒めていただきました」と回想する。とくに迷子捜索では、迷子の方の写真を登録することができたため、解決率が上がったという。

落し物・忘れ物は写真を登録してマッチングできるようにするなど、現場目線で機能のカスタムも行った。大和を通じてアテンダントからのリクエストを拾い上げてUIを改修したほか、サーバーの増強も行うなど、会期中も臨機応変な対応を行った。

大和は「TSPだからこそ導入できた『SHIROYAGI』が大活躍し、ほっとしました。万博での実績は、イベント現場のさらなる負荷軽減に大きく貢献するでしょう」と意気込みを見せた。

多くの社員が携わり、アテンダントも含め互いを尊重しながら乗り切った本案件。その姿勢は社内でも評価が高く、年度末に開催された社員総会「TSP SUMMIT」では、「Challenge賞」ならびに最高賞である「TOP OF the TSP」を受賞。苦労を乗り越え、大きな実績を創り上げたメンバーたちに、惜しみない拍手が贈られた。

世界中から訪れる来場者に、安全・安心を確保しながら最高のおもてなしを届ける。その実現に向けて、当社は約4年にわたり、関係者とともに挑戦を重ねてきた。計画から運営まで、多くの課題や変化に向き合い、その都度試行錯誤を重ねながら磨き上げてきたのは、単なる運営体制だけではない。大規模イベントにおいて、一人ひとりが力を最大限発揮できる仕組みと、現場で培われた実践力だ。

来場者の笑顔や現場で得た気づき、その積み重ねによって生まれた知見は、私たちにとって大きな財産となった。この経験を一過性の成果で終わらせることなく、今後のイベントへと発展・還元し、より高い体験価値の創出に挑戦し続けていく。

会社案内・実績集を公開中

イベント開催を検討されている方はこちら

OTHER PROJECTS

VIEW MORE

まずは社内でご検討されたい方はこちら

DATA DOWNLOAD

無料で資料をダウンロード

イベント開催に関するご依頼・ご相談はこちら

CONTACT US

Webからお問い合わせ

お電話でのお問い合わせはこちら

03-3719-3721

事業に関わる
お問い合わせ

03-3719-3724

採用や取材等の本社機能に
関するお問い合わせ

土・日・祝日を除く 9:00〜18:00